熱間鍛造を初心者向けに解説
今回は「熱間鍛造」について解説していきたいと思います。
まずは今回初登場の言葉「熱間」から説明していきましょう!
お酒好きの方はついつい「あつかん」と読んでしまいますよね(笑)
(そんな人はいません(^_^;))
冷間鍛造の回でもご説明したように、
「冷間」は冷やすわけではなく「常温」で加工することを意味しています。
それに対して「熱間」はその字の通り「熱々」(あつあつ)で加工することを意味しています。
それって具体的に何度なの?
って思いますよね。
これは材料によって違います。
学術的には再結晶温度以上で融点未満の適切な温度となりますが、
わかりづらいのでざっくり説明しますと
「溶けてない状態でまっかっか」
をイメージしてください。
鉄であれば1100度〜1250度で加工されるのが一般的です。
なぜここまで熱を加えるかと言いますと、
これほどまで熱を加えると金属は柔らかくなり加工がしやすくなるんです。
その加工しやすい状態で鍛造する。
すなわち叩いて、力を加えて、形を変えることが、
「熱間鍛造」
となります。
「冷間」の世界で仕事をしているわたしがいうのもなんですが
熱間鍛造は
「King of 鍛造」
とも言えると思います。
6000年とも言われる鍛造の歴史のなかで、
冷間技術が高まったのは強力な鍛造機が製造可能になった18世紀〜19世紀の産業革命以降ではないかと考えられます。
長い歴史と比較すれば近年急速に発展したとも言えますね。
それまで長きに渡り産業を支え、歴史を変えて来たのが熱間技術なのではないかと思います。
熱間鍛造の花形といえば、やはり「刀鍛冶」さんでしょう!
百錬成鋼と言うことわざも刀鍛冶が刀を鍛えに鍛え上げることから生まれた言葉です。
古来では武器防具や農耕具、生活用具など幅広く多くのものが熱間鍛造で作られていたと考えられます。
そう考えると当時はたくさんの鍛冶屋さんが日々生活を支え、技術を発展するべく鍛造をしてたんでしょうね。
Youtubeチャンネルでもこちらの内容を紹介しています。
是非そちらもお楽しみください。