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冷間鍛造(冷間圧造)の金型の寿命や材質、設計などについて詳しく解説!

冷間鍛造(冷間圧造)の金型寿命でお悩みの方はたくさんいらっしゃると思います。

材質や設計面でのポイントを設計から製造まで一貫して行う金型メーカーとして視点で解説します。

 

冷間鍛造(冷間圧造)の金型寿命はどれくらい?

 「どれくらいもつの?(耐久するの?)」とはよくお客様から聞かれる言葉です。

 

金型メーカーがこんなことを言っては身も蓋もありませんが私はいつも「分かりません」とお答えしています(笑)

金型は成形する製品によって大きく耐久性が大きく変化します。数百万本使用しても破損しないものもあれば、数千、数百で破損してしまうものもあります。

そこに影響している要因はなにがあるでしょうか。

金型設計において考えられる要因を列挙してみます。

・金型の構造

・金型の締め代

・金型材質の選定

・金型成形部の面粗度

・コーテイングの有無

などが主要要因として考えられます。

これをすれば必ず耐久性がアップするとは断定は出来ません。

製品の形状や圧造工程に合わせてそれぞれの要素をバランスよく検討する必要があります。

 

冷間鍛造(冷間圧造)のニブ破損(ニブ割れ)を防止する方法とは?

今回は圧入金型のニブ破損(ニブ割れ)防止に絞り、

下記に示す代表的な破損に関してそれぞれ対策を考えてみます。

・チッピング

ニブに使用する素材(主に超硬合金)の靭性を上げる事が一般的な対策です。

コバルト含有量の多くWC粒子の粗いの超硬合金が、

靭性が高くチッピング対策として有効です。

またWC粒子が微粗混合の超硬合金も多くラインナップがありこちらも効果が高いと感じます。

それでもチッピング傾向が良化しない場合は、粉末ハイスを選定するのが良いでしょう。

 

・焼付き

焼付きは摩擦抵抗を多く受ける金型(主に絞り金型)で多く発生する破損事例です。

まず前提として金型がしっかり磨かれていて良好な面粗度が得られていることが重要です。

ただし絞り金型の多くは非常に深く、サーフテスト(粗さ計)での計測も出来ません。

また、マイクロスコープなどでの確認も鮮明な画像が得ずらく評価が難しいのが現状です。

手軽に圧造現場でも確認出来るのは「触診」です。

φ2程度のハイスピンなどで焼付きが起きそうなテーパー部やR部を「触診」してみましょう。

この時にザラつきを感じれば磨き直しの必要があります。

見た目がきれいでも触ってみるとザラつきが。。。なんてこともあります。

一度「触診」してみることをおすすめします。

 

磨きがしっかし出来ているうえで対策となるのは超硬合金をより硬いもの、

すなわちコバルト含有量が少なく、WC粒子がより小さいをものへ変更することが効果的です。

またCVDやPVDコーティングも効果的ですが、

焼付きが早期に発生する摩擦抵抗が過大な金型の場合、

コーティング被膜の剥離が早くあまり効果が得られない印象があります。

摩擦抵抗がそれほど大きくない金型の場合には寿命を飛躍的に上げることが期待できます。

 

・縦割れ

縦割れは内径部が広がろとする力にニブや補強リング、ダイスケースが耐えられなくなる事が要因です。

多くはニブの縦割れが発生しますが、金型バランスによっては補強リングやダイスケースが割れる場合もあります。

こちらの対策は一般的に言われる「締めを強くする」ことが効果的です。

ただし締め代は補強リングやダイスケースの弾性変形内で収まる範疇にすることが学術的には王道です。

すなわち圧入した時にケースが膨らまない状況を指します。

いくら締めを強くしてもダイスケースがその分どんどん膨れてしまってはせっかく締めても補強の効果は得られません。

ですが、

現実には弾性変形内を超えるほどの締め代での金型寿命改善が事例を多く見てきました。

どの程度が適正なのか非常に微妙ではありますが多少弾性変形範囲を超える程度が適切なのでは?

と考えています。

 

・横割れ

主に面圧の大きい金型で起きる印象の多い破損で、

金型屋としては一番対策がやっかいです。

素材を硬くしても、柔らかくしても突然やってくるのが横割れ。

ニブ沈みにしたり、座布団をしいたり(ニブの下に別のものを圧入する)などの小技で解決する場合もありますが、

基本的には面圧過大が要因ですので、

少しでも面圧が少なく出来るような工夫が必要と考えます。

 

それぞれの一般的な対策で良化が見込めない場合は、

この工程自体の負荷過大になっている公算が非常に高いので、

工程から見直しを掛けることが必須です。

 

冷間鍛造(冷間圧造)の金型に使われる材質の特徴

近年使用される金型素材はおおよそ決まって来ています。

代表的な材質の特徴をこちらで説明します。

 

・超硬合金

炭化タングステンとコバルトが主成分の焼結金属です。

主に成形部に使用されます

 

・SKD61

熱間ダイス鋼です。

焼戻し温度が550℃と高い為、焼き嵌めが可能です。

HRC50前後の高い硬度と1250N/mm2の高い引張強度も持っています。

主に補強リングやケース素材に使用されます。

 

・SCM440、SNCM439など

クロムモリブデン鋼です。

略してクロモリ。

古くから業界にいる方はM8(関東圏)やM9(関西圏)と呼んだりします。

HRCで45程度まで入りますが引張強度はSKD61程高く出来ません。

熱処理を済の状態から加工出来ることが最大の強みで、

短納期対応に今でも一般的に使用されています。

主にケース材に使用されます。

 

・SKD11

冷間ダイス鋼です。

HRC60前後の高い硬度がありますが引張強度は弱いです。

そのため成形部位や圧入部位以外(ライナーや受台など)に使用されることが多いです。

 

・SKS3

主にSKD11と同様に使用されています。

 

・SKH51 SKH55 SKH57

高速度鋼(ハイスピード鋼)です。

通称ハイス。

主にKOピンや穴あけピンに使用されます。

ニブに使用される場合もあります。

 

・マトリックスハイス

高速度工具鋼の炭化物量を低減したハイスです。

上記のハイスより靭性が優れます。冷間鍛造金型にはYXR3やYXR7がよく採用されます。

使用部位はハイスと同様です。

 

・粉末ハイス

粉末製法で製造されるハイスです。

炭化物が微細かつ均一になることにより高靭性と高硬度を兼備しました。日立金属のHAPシリーズ、エラスティール社のASPシリーズなどが人気です。

使用部位はハイスと同様です。

 

冷間鍛造(冷間圧造)の金型の構造について

大きく大別すると

・一体金型

・分割金型

の2種類に大別されます。

一体金型は上からニブを圧入、もしくは焼き嵌めしその後にニブの入れ替えなどは出来ません。

もっとも部品数が少なく、安価な金型構造となります。

 

分割金型はさらに「縦割り」「横割り」大別され、

それぞれが入れ替え可能タイプ、焼き嵌め圧入し入れ替えなどが出来ないタイプにされに分けられます。

製品の形状、金型負荷、エアー抜き(油抜き)の兼ね合いを勘案し適切なタイプを選択しましょう。

 

冷間鍛造(冷間圧造)の金型の設計方法は?

近年はCAEソフトを駆使したシュミレーションも一般化してきましたが、

冷間鍛造(冷間圧造)金型の設計は関連する要素が多くまだまだ経験に頼る部分もあります。

弊社では45年以上の工程設計、金型設計の実績があります。

そしてその経験が現在においても引き継がれています。

是非冷間鍛造(圧造金型)金型の設計でお悩みの事がございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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